スポーツ俳句~17文字で旬のスポーツを味わう!~ -97ページ目

スケート・ショートトラック

ちょこまかと リンク駈け抜け 駆け引きで 

 季語は「リンク」で、冬。

 スピードスケート・ショートトラックの全日本選手権で、寺尾悟選手が2種目で1位に入りました。
 スプリントに比べ、ショートトラックは迫力に欠けこそすれ、スリリングな駆け引きで、観ていて楽しくありませんか?
 そこはオリンピック3大会連続出場のベテラン、勝負勘がすごいですね。

トヨタのラガー

「泥々の タックル寒波 忘れけり」

 季語は「寒波」で、冬。

 ラグビー日本選手権の準決勝が行われ、トップリーグ王者の東芝府中をトヨタが破り、決勝に進出しました。

 執拗なタックルで守り抜き、相手のミスに乗じて逆転トライを決め、勝利を手にしたトヨタ、先週の早稲田の必死さが乗り移ったようです。かなり学習効果があったのでしょうね。

ふれあいサッカー

「底冷の 床に笑顔の パス通り」

 季語は「底冷(そこびえ)」で、冬。

 ガンバ大阪の選手が、「ホームタウンふれあい活動」として、大阪府吹田市内の小学校を訪問し、体育館で児童と交流したとのこと。W杯アジア最終予選の北朝鮮戦で決勝点を挙げた大黒選手らと子どもたちとの間で、笑顔でパスが交わされました。

 サッカーを通じた地域貢献、子どもたちに夢を与えますね。

村主章枝

銀盤を たをやかに舞ふ 乙女かな

 季語は「銀盤」(スケートリンク)で、冬。

 フィギュアスケートの4大陸選手権・女子ショートプログラムで、村主章枝選手が首位に立ち、恩田美栄選手が2位につけました。ジャンプだけでなく、表現力もすばらしいですね。

 日本の女子フィギュアは本当に層が厚く、来年のトリノオリンピックが楽しみです。

楽天in日向

「宮崎の 小春日和に エンジ映え」

 季語は「小春日和」で、冬。

 暖かい宮崎県日向で楽天の2次キャンプが始まり、バント処理など、より実戦的な練習がスタートしました。南国の空にエンジのユニフォームが映えていましたね。

 新球団がキャンプを通じ、どの程度強くなるのか、注目です。

復興へ、スキー

「ゲレンデに 屈託のない 笑顔かな」

 季語は「ゲレンデ」で、冬。

 新潟県中越地震ですべての地域に避難指示が出され隣の長岡市で授業を続けている山古志村の小学校が、地震後初めてスキーの授業を近隣の塩沢町で行ったとのこと。
 子どもたちの多くは避難時にスキー用具を持ち出せず、地震後スキーを楽しむ機会がほとんどなかったということで、青空の広がるゲレンデで、雪の感触を存分に楽しむ様子をニュースで見ました。一日も早い復興を!

宮里・北田

「夏空に チームワークの パットかな」

 季語は、「夏空」で、夏。南半球の南アフリカは、夏です。

 女子ゴルフの第一回ワールドカップで、日本(宮里、北田)が優勝。
 19歳の宮里選手の落ち着きはすばらしく、23歳の北田選手の失敗をカバーするチームワークで、見事初代チャンピオンに輝きました。17番でともにバーディーを決めたシーンが印象に残りますね。

高岡寿成

「長身の ランナー独走 せし冬路」

 季語は「冬路」で、冬。
 高岡寿成選手が、東京国際マラソンを独走で優勝し、世界選手権の代表に。
 3千、5千、1万メートルと、マラソンの日本記録保持者でもある高岡選手、34歳ながら、186センチの長身を活かした走りで世界のトップに立って欲しいものですね。

早稲田ラグビー

「タックルの 低きエンジの ラガーかな」

 季語は「ラガー」で冬。

 ラグビー日本選手権準々決勝で、早稲田大学が、トヨタ自動車に後半までリードを奪う善戦。

 低くて速いタックルによる必死のディフェンスで、パワーで勝る社会人チームを最後まで苦しめました。伝統のエンジと黒のユニフォームが、冬空の中で躍動して見えました。

フリースタイルスキー2

「粉雪の 中を舞ひけり ヘリコプター」

 季語は「粉雪」で冬。

 苗場で開かれているフリースタイルスキーのワールドカップ・モーグルで、上村愛子選手が、ヘリコプターというエア(空中技)を綺麗に決め、4位入賞。もう一つの、3Dという大技では、手をついてしまいましたが、これが決まっていれば、表彰台といった活躍。

 1年後のトリノ・オリンピックに向け、どんどん調子を上げていって欲しいですね。